株式会社エクステックへの
想いをお伝えいたします。

代表取締役社長 福嶋 昭


木下
まず始めに、一般的に起業してから3年以内に倒産が70%、10年以内だと93%が倒産といわれていますが、創業以来20年以上連続で安定経営を続けておられます、その秘訣など教えていただけますでしょうか。

今だから正直言いますが、会社創設期は日々のやり繰りで精一杯でした。夢やビジョンはと聞かれてもありきたりの何処かで聞くような建前の話ししか出来ませんでした。でも今は沢山の良い経験や辛い経験をし、自分達の可能性を少しだけ語れるようになりました。

その可能性が夢やビジョンに繋がり、しいては今の会社経営に繋がっているのだと思います。自分達の仕事の価値や可能性を本当に理解する事が長期の会社経営や安定性に繋がる秘訣だと思います。


木下
具体的な可能性とは何ですか。

今の時代、ITを使わない仕事はないです。ようは、どんなビジネスをするにしてもITは必要で、私達が携わっている仕事は全ての業種業態に通じる魔法の武器を持っている事になります。使い方ひとつで大きなビジネスに化けます。そんな武器は中々ないと思います。

また、これから労働人口が年々減少し2030年には今の12%、2040年には20%にまで減り日本の国力衰退が予想させます。

政府も働き方改革関連法や外国人労働者の受け入れと対策をこうじてはいますが、物理的な労働の効率化や人に変わる労働力を提供するのに私達のITは欠かせない存在です。エンジニアの人達にはこの魔法の武器の価値と可能性を理解して欲しいと思っています。


木下
エンジニアがあらゆる分野で活躍できる場を提供される、その考えそれが弊社の企業理念「エンジニアがエンジニアであることを誇れる会社創り」につながっているのですね。
ところで安定経営も大切なのですが、コンプライアンス(法令順守)で注意されておられる点はありますでしょうか?
弊社は、大阪市から「女性活躍リーディングカンパニー」として認証され大阪府からも「男女いきいき元気宣言企業」に認証されていますよね。そこのところをお聞かせ願えませんか。

「女性活躍リーディングカンパニー」、「男女いきいき元気宣言企業」にも認定をされていますが、エクステックにとっては特別な事ではなく創業時からの文化です。大切なのはそれぞれの考えや価値、環境は違うという事を理解し、相手の立場にたって物事を見てあげるという事だと思います。

「相田みつを」さんをご存じですか。


木下
独特の書体で、カレンダーなどの書かれている詩人の方ですよね。

昨年TVをみていたら、長男の相田一人さんが相田みつをさんのお話しをされていました。番組の中で紹介された詩の中に『他人のものさし自分のものさし それぞれ寸法がちがうんだな』というのがありました。

ものさしの表現は人によって考え方や個性は違いますよという事を指しています。分かり易く最近の問題になっている事柄でいうとセクシャルハラスメントが上げられると思います。
同じ言動でも相手によって受け取り方が異なるので本人はその気がなくても注意して下さいというのが分かり易いかもしれません。

平成に入って「個人の尊厳、個人の尊重」が高まり、そのような考え方は更に広がったと思います。昭和、平成の時代はもちろんですがこれから先の時代、時代で更に共感される詩になるのだろうと思います。私達、教育や管理する側の人間には教訓になる詩だと思います。

相田みつをさんの教養ってご存知ですか?


木下
相田みつをさんの教養ですか?わかりません。教えていただけませんでしょうか?

相田みつをさんの教養とは、どれだけ相手の立場にたてるかという事のようです。

また、番組では次のような詩も紹介されました。

『アノネ親は子供をみているつもりだけれど子供はその親をみているんだな。親よりもきれいなよごれない眼でね』

これを聞いて私は面接を受けに来られた人にするお話しを思い出しました。

「緊張していますか?面接はフィフティ:フィフティですよ。私はあなたを面接していますが私もあなたに面接をされているんですよ。私を通して会社を見て下さいね。」

というお話しをします。


木下
最後になりますが、社長の人生の中で今の人間性や考え方に一番影響を与えた出来事やきっかけは何ですか?

きっかけというよりは母親が私の90%を作ったと思います。見た目も、生き方も、贅沢することなしに生きてきた『昭和を代表するようなおばちゃん』です。

私の記憶をたどっても母親が贅沢した記憶は何一つありません。私達、子供のことで精一杯の生活だったと思います。

小学校2年生の時でした。一緒に遊んでいた友達が怪我をし、そのことをいつ、どう母親に話しをしようかと悩んでいました。一緒に遊んでいての出来事とはいえ、怪我の責任と治療費で家にも負担をかけてしまうという思いで一杯でした。

夕方一人椅子に座っていた私の側に母親が来て、『あきら、お前の心はレースのカーテンやぁ。正直に生きなさい。』『何があったの。』と言われました。

もちろん、母親は友達の怪我のことを知っていた訳ではなく私から何かを感じていました。その後、すぐに母親に事情を話し友達の家へお見舞いにいきました。

私が困った時や嘘をついている時は、表情や言葉からすぐ分かり、ピノキオの鼻のようです。嘘や隠し事をしていても自分が苦しいだけで何も解決しない。いつかは分かる事だから、正直に生きなさいという事でした。

『あきら、お前の心はレースのカーテンやぁ。正直に生きなさい。』は、私にとっては大切な言葉で、これからも大切にしていきたいです。私から会社の子達に引き継ぐ言葉にもなりそうです。


木下
本日はどうもありがとうございました。