習慣の引力/企画推進室

習慣の引力

「思いの種を蒔き、行動を刈り取る。行動の種を蒔き、習慣を刈り取る。習慣の種を蒔き、人格を刈り取る。人格の種を蒔き、運命を刈り取る」とは、自助論の著者サミュエル・スマイルズの詩です。人生をより良くしたければ運命を変えなければなりません。そのためには人格を、そのためには習慣を、そのためには行動を、そのためには思いを変える必要があるという事です。今回はその中の「習慣」についてです。

(2020年06月15日 企画推進室)

引力の力

ロケットのリフトオフ(打ち上げして自力で飛行可能な状態になること)には莫大なエネルギーが必要です。時間にして数分の間、距離にして数キロ足らずにも関わらず、その上昇に必要なエネルギーは、その後の数十万キロの飛行に使うエネルギーをはるかに上回っています。それほど地球の引力を断ち切るのが大変だという事です。

例えば、スペースシャトルの本体を超える巨大な燃料タンクは発射からちょうど10分後に切り離されてしまいます。もしもロケットが透明だったらどう見えるかという、ちょっと面白いムービーが公開されていたのでご紹介いたします。本当にあっという間に燃料が消費されて、ロケットが小さくなってしまう?様が見て取れます。

いかに引力の力が大きいかという事に思いを馳せる動画ですね。

 

これと同じように「習慣の引力」も非常に強いものがあります。

「習慣はケーブルのようなものだ。毎日細い線をより合わせると、簡単には切れないほどの強さを持つようになる。」ホーレンス・マン(米国の教育改革者で奴隷制度廃止論者 1796〜1859)

一旦身についてしまった習慣は、簡単に変える事はできません。これは良い習慣であっても悪い習慣であってもです。特に悪い習慣というのは知らず知らずのうちに身に付いてしまうものです。

愚痴、他者の批判、先送り、わがまま、他人のせいにする・・・

普段の何気ない行動は、知らずに身に付いた悪い習慣のたまものではないでしょうか。

しかし、習慣は変える事ができます。マイナスの引力をプラスの引力、良い習慣に変える事ができれば、冒頭のサミュエル・スマイルズの詩のように、より良い運命、より良い人生に変える事ができるのだと思います。

 

習慣の定義

「知識、スキル、意欲の三つが交わる部分を習慣と定義したい」完訳 7つの習慣  P48 (スティーブン・R・コヴィー)

知っているだけ、能力があるだけ、意欲があるだけ、では習慣にできません。この3つがそろって初めて習慣にする事ができるという事です。

ダイエットを例にしてみましょう。

ダイエットを続ける、つまり習慣化するためには、「なぜダイエットをするのか、何をするのか、という知識」「どうやって実行するのか、その方法と能力」「どうしてもダイエットをしたいという強い意欲」が必要だという事です。

新しい何かを意識的に習慣化するためには、何をするのか、どうやってするのか、なぜするのか。これを意識する必要があるという事ですね。

 

習慣の引力

習慣の引力は非常に強力です。特に悪い習慣を断ち切り、よい習慣を身につけるには、まさにロケットがリフトオフするのに等しい非常に多くのエネルギーが必要です。

そこには、苦しさや痛みを伴う事もあると思います。しかし、逆に良い習慣を身につける事ができれば、最終的に「運命を刈り取る」ことができるはずです。

「このプロセスで痛みを感じることもあるだろう。より高い目的を目指し、そのために目先の結果を我慢する意思がなければ、変化を遂げることはできないからだ。・・・略・・・幸福とは、最終的に欲しい結果を手に入れるために、今すぐ欲しい結果を犠牲にすることによって得る果実に他ならない」完訳 7つの習慣  P49 (スティーブン・R・コヴィー)

 

「毎日コツコツ勉強してスキルアップする事が良い事だとわかっていても、なかなか出来るもんじゃない。」と思った経験はないですか?

しかし、毎日勉強する習慣が身に付いた自分を想像してみてください。特に意識する事なく、まるで歯を磨くかのように、普通に勉強する習慣が身に付いているとしたら。5年後、10年後、自分がどうなっていると思いますか?

習慣の引力を身につける事ができれば、いろいろな事が変わってくるような気がしませんか?

たしかに、習慣の引力を断ち切り、新しい習慣の引力を身につけるのは容易な事ではありません。そのためには「思いの種を蒔く」ことが実は重要なんですね。自分の在り方は自分自身の見方=パラダイムに強い影響を受けています。

そのあたりについては、またどこかで書いてみたいと思います。