単なる井戸端会議 パート176

『エンジニア・サピエンス』

(2022年 4月 4日 福嶋)

今年も四月一日に入社式を行いました。私が毎年春だなと感じる風物詩にも

なっています。まん延防止等重点措置は解除されましたがまだ高止まりや

第七派が懸念される中で、今年も感染予防対策を講じた中での入社式になり

ました。その時の社長挨拶をお話しさせて頂きます。

 

 

 

『エンジニア・サピエンス』

 

株式会社エクステックへのご入社おめでとうございます。

皆さんの大切な楽しいはずの学生時代に大きな事がありすぎて、入社式に

何をお話ししようか例年以上に悩みました。

 

この数年でコロナによる、こんなにも大きな社会変化は想像出来なかった事

ですし、更にウクライナへのロシア侵攻といった映画のような事態も起こりま

した。そうした中ではありますが皆さんにとりまして本日は人生の門出です。

いい思い出の日にして下さい。

 

昨年の社長挨拶では「携帯で話している声は、本人の声ではない。」という

話しから入りました。「皆さんは知っていましたか」と聞いてみると「知ってい

ます」という皆さんからの返答に出鼻をくじかれました。

 

今年は日本の宝飾ブランド4℃(よんどしー)の由来やファミレスサイゼリヤ

の温度管理の話し等にしようかと思っていたのですがNHK「チコちゃんに

叱られる」で放映された「なぜ人は旅に出る」を見ていてその話しが良いかな

と思いました。

 

というのも先月3月9、10、11日に東京ビックサイトで開催されました「次世代

テクノロジー展」に、エクステックがサービス展開しているケアサインという

商品をブース出展しました。

ケアサインはエクステックが開発、提供している介護事業に特化した電子サイン

を行える介護業務支援クラウドサービスです。

 

その出展が終わった翌日にテレビをつけるとその番組が放映されていて感じる

ものがあったからです。ちなみに皆さんもご存じかもしれませんが東京ビック

サイトは有名なコミケが開催される会場でもあります。

 

「まん延防止等重点措置」期間という事で残念ながら通常開催時の半分以下の

入場者数でした。過去に出展した他社の話を参考にブースへの訪問数は50社

を目標とし、臨みました。

 

結果は自分達で言うもの何ですが、我が社のブースには常時、人が入っていて、

そのエリアでダントツ一番の盛況ぶりでした。

結果、目標の50社を大幅に超え120社ほどの人達と話しができ、大成功でした。

 

終わった時には社員さんもお手伝い頂いたスタッフさんもクタクタでしたがやり

切った感いっぱいの三日間になりました。

その翌日土曜日朝に目が覚め、クタクタとやり切った感が残る中、テレビを

つけるとたまたま「なぜ人は旅に出る」が放送されていました。何気なしに見て

いて「あっ、自分達も同じだ」と思い、この話しは入社式での候補だなと思いま

した。ただ、「チコちゃんに叱られる」はNHKの人気番組なので昨年同様、出鼻

をくじかれないよう皆さんが「なぜ人は旅に出る」を見ていない事を期待しながら

少しお話をさせて頂きます。ところでこの放送をみた人いますか?

 

番組では「なぜ 私たち人間は旅に出たくなるのでしょうか。」という問い掛けから

話しが始まります。私の個人的な意見は「それは普段の生活と違う世界に触れる

事ができて楽しいからでしょう。」でした。

 

出演者や街頭インタビューでの意見も私と近からず遠からずでしたので、私の答

もハズレだなと思いました。テレビでの皆さんの回答は、

「旅に出るといろんなものが美しく感じられるから」

「なにかを見つけたいから」

「幸せを探したいから」  等でした。

 

チコちゃんからの正解は、「旅に出ることは 人間の性だから~。」でした。いつもの

如くこの番組のチコちゃんの回答は抽象的な表現でよく分からいなと思う中で解説

が始まります。それは次のような内容でした。

 

まず、渡り鳥など動物が食料や暖かさを求めて動くのは「旅」ではなく「移動」だそう

です。それに対して「旅」は目的も行き先も、自由に選んで移動することができる

もので、これは人間だけの行動だという事です。

 

人間の祖先はそうした旅を行うことで新しい世界を開拓しました。そして、今のところ

よりも良いところが見つかると移住を行うなどを繰り返し、結果、世界各地へとホモ・

サピエンスは広がっていったという事です。

 

ホモ・サピエンスがその旅を実現出来たのには3つの能力があったと考えられています。

 

1つ目の能力は、道具を生み出す知恵です。

例えば、「寒い土地」ではそれに打ち勝つ為に服を作り、犬ゾリなどの大陸移動を

行う道具を発明したりしました。また、いく手をさえぎる海がある時には舟を作ったり

してそれらの壁を乗り越えてきました。人間には困難に打ち勝つ為の道具を生み出す知恵

があったという事です。

 

2つ目の能力は、コミュニケーションです。

お互いが知らない事や一人で出来ない事は、コミュニケーションをとる事によって

知恵と知恵を組み合わせてそれらを可能にしてきた事です。つまりは新たな知恵を生み

出す事ができる情報を繋げる能力を持っていたという事です。

 

3つ目の能力。私はこれが一番の原動力のように思えました、好奇心です。

例えば、ホモ・サピエンスは海を越えて日本列島にもやって来ました。祖先たちが

この航海を行ったのは、まだ見たことがないものへの強い好奇心だというのです。

たとえ命の危険があっても旅に出たのは強い好奇心以外の何ものでもなかった

と言います。

 

ホモ・サピエンスは強い好奇心を胸に知恵と情報ネットワークを駆使して旅に挑み

続け、エベレストの頂や深海、宇宙など未知の世界へと旅を続けることが出来た

理由だという事です。

その旅を続ける事は、文明の進化にも繋がったのだと思います。

 

その放送を観ながら「あっ、自分達も同じだ。」

ホモ・サピエンス改め、自分達はエンジニア・サピエンスだなと思いました。

というのも、ホモ・サピエンスが旅を実現出来た3つの能力を自分達システム屋

に当てはめてみると

 

1つ目の能力である「道具を生み出す知恵」では

ITという手段を使って人では対応出来ない道具を沢山作って、世の中を便利

にしてきました。携帯やそのアプリはその最たるもので、今の世の中から携帯

がなくなれば大変なことになることは誰でも想像できます。

また、今では当たり前のエクセルやワードといった文章等を作成するツールも

私がITに関わった40年前はありませんでした。

余談ですが、ご存じの人も多いかと思いますが京都アニメーションのヴァイオ

レット・エヴァーガーデン 「自動手記人形」と呼ばれる代筆業の話しは泣ける

ますので見て下さい。

私が働き出した当時は汎用機の時代で入出力は英数カナで行い漢字は扱え

ませんでした。当時、何百、何千万円もかけて開発した多くのソフトが今は無償

又は安価で手に入る時代になりました。

 

2つ目の能力である「コミュニケーション」は

文字通り、情報ネットワークです。色んな人や企業と繋がる事で技術が進歩し、

こんな事出来たら良いなが現実の世界のものになっています。インターネットが

一般に普及した事で、短時間で多くの情報を手軽に共有できるようになりました。

コロナ禍ではオンライン会議という手段も急速に広がりました。以前は海外との

商談や会議はどちらかが出向いて時間やお金が掛かりましたが今はメールで

URL案内するだけです。月に何度か海外との商談や会議を行っていますが案内

の時には現地時間と日本時間を間違わないよう気を使うだけでパスポートも旅券

もいりません。

それと有難いことに翻訳ツールも格段に進歩していて重宝しています。

 

3つ目の能力「好奇心」は

エンジニアである私達は、新しい技術に触れたいという好奇心に溢れている人達

が多くITが日進月歩で進化してきた大きな要因だと思います。ただ、日本という

国は安全や安定性を優先する人が多い民族です。新しい技術や商品は誰かが

使って安全だという事を確認してから自分達も使い始める傾向があります。

それが良いのか、悪いのか、一概には言えませんが、「日本がインターネットで

世界に負けた。」要因でもあると思っています。同じようにその民族性で「日本は

人工知能でも世界に遅れをとってしまった要因。」のように感じています。

 

東京ビックサイトで出展したケアサインは、介護事業者様とのシステム開発を行う

中、そのプロジェクトに関わった人達から介護業界に向けてのサービス化を行い

たいという提案が上がってきました。面白いかもと思って進めていた矢先に河野元

規制改革担当大臣から「はんこ廃止」でデジタル化を一気に進めようという発言も

時代の追い風になりました。

 

東京ビックサイト出展についてもスタッフの人達からの要望です。

企画から準備、運営まで全てを半年掛けて自分達で行い、私は予算の決済と当日

にブース内で頼もしく動いている皆さんを見ているだけのお飾りでした。

 

今回のブース出展で120社ほどのリストが出来ました。参加した社員さん達は普段

のエンジニア業務とは違う経験とスキル習得が出来たと思います。その経験と実績

は今後も新たなビジネスを構築するうえで個々のエンジニアスキルに追加されたと

思います。

 

今回、社員さん達の経験や達成感、営業効果などは想定していた以上の価値が

あったと感じています。東京ビックサイトでこの子達も「新しいものを求めて旅

に出ているのだな」ということを改めて感じ、嬉しく、頼もしく思いました。

 

そんな事もあり旅に挑み続けたホモ・サピエンスと「エンジニアの性も同じだ」と

いう思いに浸り放送を観ていました。

ITというビジネスは感性やひらめきで社会を変える事の出来る面白いビジネス

です。皆さんもITの基本をしっかり習得し、好奇心を忘れずにエンジニア人生

を楽しみ、歩んで下さい。

 

それとこれから皆さんの参考になるかもしれないなという事が最近あったのでもう

少しだけお話しをしておきます。友人と話しをしていた時の事です。

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私から、

「人は人生の中で沢山の選択をしないといけない時にそのどの場面においても

一番正しい選択をしてきました。その結果、今自分が歩んでいる一番幸せな場所

にたどり着いているのだと思いますよ。あなたはこれからも一番の正しい選択を

繰り返して人生を歩んでいくのだと思います。」

「あの10年前の時にこうしていれば今はもっと幸せになれていたという話しも

よく聞きますが、この10年があって初めてその事が理解出来るし、その時に違う

選択をしていれば今よりもきっと不幸になっていたと思います。私はそう思って

生きています。」

 

友人から、

「一番の選択を繰り返してきた結果に今の自分があって一番幸せなんだって。

そういう風に考えたことはなかったです。長い間、何悩んでいたんだろう。引き

ずっていたものがスッキリしたような気がします。

ところで何か宗教やっています?入会しますよ。」と笑っていました。

 

皆さんもこれから長い人生の中では心が折れそうになることがあると思います。

一番の選択を繰り返して今の一番幸せな自分があってこれからもそれを繰り

返していくのだという考え方も参考にして下さい。

 

 

最後に、皆さんと出会えて今日から一緒にお仕事が出来る事に感謝しています。

これからよろしくお願いしますね。

簡単ではございますが、私の祝辞とさせて頂きます。

 

 

 

株式会社エクステック 代表取締役  福嶋 昭