ビジネスを創るという事/企画推進室

「ビジネスを創り出す」とはよく聞く言葉かもしれません。当社でも「ビジネス創発企業」を標榜しております。当社の考える「ビジネスを創る」とは、様々な企業、物、サービスなどを組合せ、創造し、展開し、付加価値の提供を通じて社会へ貢献する事であり、「社会そのものを創っていく事」だと考えています。今回は「ビジネスで創り上げるもの」について話したいと思います。

ビジネスを通じて世界を創る

東京ディズニーランドを作られた故・堀 貞一郎氏が講義で話されていた内容だそうです。


子供が出来る事を心待ちにしていた若い夫婦に子供が生まれました。

その夫婦には、子供と一緒にディズニーランドに行くという夢がありました。

しかし、ほどなくして、その子は亡くなってしまいす。さらに、奥さんは、二度と子供を産めない体だという事がわかります。

子供が亡くなってから丁度1年が経った日。

二人はディズニーランドに行き、レストランでお子様ランチを注文しました。

ところが、メニューには、お子様ランチは9歳以下と書いています。

ディズニーランドではお子様ランチは子供しか注文できないという事になっていました。

「恐れ入りますが、ここのメニューにも書いておりますが、お子様ランチはお子様用ですし、大人には少し物足りないかと思われますので…」

というのが、マニュアルです。

しかし、アルバイト(キャスト)の青年は、マニュアルから一歩踏み出して尋ねました。

「失礼ですが、お子様ランチは誰が食べられるのですか?」

その夫婦は事情をレストランのスタッフの方に説明しました。

子供が亡くなった事。

子供の一周忌にいつかは子供を連れて来ようと話していたディズニーランドに来た事。

この店に、「お子様ランチ」があると書いてあったので思い出にしたいと注文した事。

その事情を聴いたキャストは、四人席の家族テーブルに夫婦を移動させ、それから子供用のイスを一つ用意しました。

そして「ご家族でごゆっくりお楽しみください」と、マニュアルに反してお子様ランチを提供しました。

 

この行為自体はマニュアル違反です。

しかし、彼の行為はディズニーランドでは賞賛されるのです。

なぜなら、このキャストはディズニーランドが最も重要視しているルールに従って行動したからです。

そのルールとは『お客さんに夢と感動を与えること』


これが本当のビジネスだと思います。

あくまでマニュアルは基本でしかありません。

このキャストは、価格以上の感動を提供しました。

 

私たちがビジネスで創り上げるものは何でしょうか。

売上? 利益? 企業?

ビジネスで創り上げるものは、それだけではありません。

ビジネスを通じて個人としての自分の人生を創る事であり、

この社会、そして、この国、この世界そのものを創るという事です。

 

お金を儲けるのが目的ではありません。

お金はビジネスの評価としていただくものです。

「ありがとう」の笑顔の対価としていただくものであり、目的ではないという事です。

ビジネスを創っていくという事は、全ての企業に求められたミッションです。

お金儲けだけを追っている企業は、いつか限界がきます。

なぜならビジネスはお金儲けではないから。

そして、企業に求められているのは真のビジネスを創りだし続けていく事だからです。