単なる井戸端会議 パート152

『節目の年』

(2020年 4月 6日 福嶋)

日々、新型コロナウイルスが広がって大変な状況です。

個々が出来るウイルス予防対策を率先し、政府や専門家の指示に

耳を傾けみんなで協力して新型コロナウイルス終息に向けて頑張り

ましょう。

 

政府や各都道府県の行政からの一言ひと言がこんなに大きな影響を

及ぼす事態を経験した事がありません。行政の腕の見せどころであり、

私達も踏ん張りどころだと思います。

 

私も含め、経営者の皆様においては先が見えないこの状況でも会社

という船をどのように舵を切って進めるのか手腕が試される時です。

今までの経験や知識、感を研ぎ澄まし先手、先手で舵を切っていきたい

と思っています。

 

今年は入社式を行うのか、中止にするのか、悩みましたが人生の門出

の式です。ウイルス予防対策を万全に行い、四月一日入社式を行いま

した。今年もその時の社長挨拶を思い出しお話しをさせて頂きます。

 

 

 

『節目の年』

 

株式会社エクステックへのご入社おめでとうございます。

希望いっぱい、緊張ほどほど、不安少々。

新しい人生の始まりで「ワクワク」「ドキドキ」感が混在している入社式

だと思います。

 

先日、娘と入社式の話しをしていますと、

「おっとう、世の中は大変な事になって入社式中止の会社もあるので

入社式は出来るだけ、短く」

「ましてや、長くて面白くない社長挨拶は聞きたくないから短く、短く」

と言われました。

娘とはいえ、どストレートやなぁ。と思いながら、一理も、十里もあるなと

思いました。

 

確かに皆さんの生活でも新型コロナウイルスの影響が色々と出ている

と思います。新型コロナウイルス対策でマスクを付けての入社式には

なりましたが皆さんにとりまして人生の門出です。

いい思い出にして下さい。

 

実は2020年は私にとりましても節目の記念すべき年でもあります。

一つ目は、義理の母がお正月に米寿(八十八歳)を迎えました。米と

いう字を上、中、下に分けると「八十八」になるので米寿です。

二つ目は、私達夫婦が2月に真珠婚(結婚三十周年)を迎えました。

知り合って、その流れで、何となく半年後には結婚をしました。

結婚してからの夫婦喧嘩は片手もありません。ここまで

続いたのは、出来た夫や妻という訳ではなく、お互いを鑑賞

しない、ほど良い距離感が良かったのかなと思います。

三つ目は、今年 私が6月に還暦(六十歳)を迎えます。

 

『六十にして耳順う(みみしたがう)』という教えがありますがご存じですか。

孔子の「論語」の中にある有名な一説です。

 

孔子は、今から約2,500年前に、中国の魯(ろ)の国で生まれた儒教の

創始者です。幼い頃に両親を失い、大変貧乏な生活でしたが十代のうち

から、勤勉で魯の国の役人となりました。

 

三十代で教師となり、四十代後半には行政官を勤めました。そして、大臣

となり政治的手腕をふるいました。

孔子は、世の中の道徳が衰退していることを嘆き政治を通じて人間的な

理想や人格形成の実現を望みました。いつの時代も同じで、出る杭は

打たれる事が少なくありません。国内外からの妨害によって五十六歳

の時に大臣を辞めて、自分の理想を実現できる国を求めて国外に去り

ます。

 

諸国を遊説してた孔子ですが結局は政治への希望を失い、十二年後に

再び故郷へ帰り、弟子たちの教育に専念し七十三歳で亡くなりました。

 

孔子の死後、孔子の思想を収録した「論語」が弟子達によって編集され

ました。『六十にして耳順う(みみしたがう)』はその中にある有名な一説

です。

 

しの たまわく、

われ じゅうゆうごにして がくにこころざす。

さんじゅうにして たつ。

しじゅうにして まどわず。

ごじゅうにして てんめいをしる。

ろくじゅうにして みみしたがう。

しちじゅうにして こころのほっするところにしたがって のりをこえず。

 

もう少し分かり易く言うと

 

孔子が云う、

①「私は十五才で学問の道に入ろうと決めた。

⇒ 自分の求める分野の専門的な勉強を始めた。

 

②三十才で学問に対する自分なりの基礎を確立した。

⇒ 自分の精神の立場を確立した。

 

③四十才で戸惑うことがなくなった。

⇒ 悟りが開け、人生に対しての疑いをいだかなくなった。

 

④五十才で天命を悟った。

⇒ 自分の生涯における使命を見極めた。

 

⑤六十で何を聞いても動じなくなった。

⇒ 聞くところ理屈に合えば、何の障害もなく理解し、他人の言葉を

自然に受け入れることができるようになった。

 

⑥七十になって、心のおもむくままに行動しても、道理に違うことが

なくなった

⇒ 自分の思うことすべてが、真理にかない、自然の法則から外れる

ことのない、悟りの究極を体得した。

 

 

皆さんのこれからのシステム屋としての人生をこの教えに照らし合わせて

みますと、

「われ じゅうゆうごにして がくにこころざす。」

⇒ 自分の求める専門的な分野として、皆さんはこれからITへの取組み

を始めるのでこれはクリアですね。

 

「さんじゅうにして たつ」

⇒ 三十才で、自分の精神の立場を確立というとハードルが高いですが、

ITに対する自分なりの基礎を確立というふうに解釈すれば、今から

二十代のうちに色んなものを吸収し、自分のものにすれば大丈夫そう

ですね。是非とも頑張って下さいね。

 

では、私はどうなの?と言いますと、まだまだ四十、五十才辺りをウロウロ

しています。孔子のように成長をし、欲に心が支配されず、『悟りの境地』に

なってみたいものですがその境地は何処にあるのか、イマダほど遠い世界

です。

 

ちなみに私の長男の名前は『悟』と言います。家内が命名しました。

その由来はというと孔子の論語から来ていますという流れなら格好良かった

のですが、私が推測するに、当時元F1レーサーの中嶋悟ファンでしたから、

どうもそこから付けたのだと思います。

 

ある社員さんから最近「社長は何の為に会社をやっているんですか?」と

いう質問を受けました。即答です。「社会に貢献する為」と答えました。

社会貢献は、ボランティアなどの特別な活動に思えるかもしれませんが、

私は皆さんが今の時代に生きて、真面目に働いて、会社を存続させること

自体が充分社会貢献に繋がっていると思っています。

 

その事で皆さんは納税もします。雇用を維持し広げる事にもなります。

ましてや皆さん若者の労働はこれからの日本を支え、未来を創って

いく事になります。

 

私は現在59歳、かろうじて五十才代ですが「ごじゅうにして てんめい

をしる」という事であれば孔子と比べると小さな事ではありますが自分

なりの想いはあります。

 

ITを経験、学ばせてもらった者としてITをベースに新しいビジネスを

エクステックで三つ創り上げたいという想いがあります。

それも自分の為ではありますが、その取組みは社会貢献的意味のある

ものが多く、結果としてエクステックの為、日本の為、アジアの為、世界

の為になる恩返しだと信じています。

 

今回の新型コロナウイルスではパンデミック宣言が出されて、まだまだ

勢いは衰えていません。

終息までに1年掛かるのか、2年掛かるのか、誰にも分かりません。

世界的に経済は大打撃をうける事になります。皆さんも少し不安に感じ

ているかもしれませんね。

 

近年の日本では、バブル崩壊、阪神淡路大震災、リーマンショック、

東日本大震災、そして現在の新型コロナウイルスと、予想もしなかった

大きな出来事が起こっています。

周りをみれば、その時、その時に力尽きた会社を沢山みてきました。

でも、エクステックという会社にはその時、その時を乗り越えてきた

免疫があります。

 

そんな状況を一緒に経験し乗り越えてきた社員さんが言った名言が

あります。「エクステックは何があっても潰れませんね。」それを聞いた

時にはのん気だねと思いましたが、私の妻も同じような事を言いました。

「何があってもどうにかするでしょう。」

周りはそういう風に感じているのか。でも、確かに誉め言葉であり、

信頼されている、強い会社の証だなと思いました。

 

皆さんは何も心配せずに安心して

「われ じゅうゆうごにして がくにこころざす。」

「さんじゅうにして たつ。」

を目指し、ITの技術習得に努めて下さい。

 

最後に、皆さんと私達が出会えて今日から一緒にお仕事が出来る

事に感謝しています。

一緒に頑張っていきましょうね。

簡単ではございますが、私の祝辞とさせて頂きます。