結局、心配事は起こらなかった話/企画推進室

最近、義理の母が「ガン」かもしれない、という連絡を受けました。「不安な思い」を日々対処しながら、結果的には何事もなく安堵した訳ですが。こういう不安だけではなく、仕事上の失敗なんかが原因で精神的に不安定になる、というのは良くある話です。今回は、こういった不安や悩み、心配事や精神的な感情について書きたいと思います。

(2020年2月25日 企画推進室)

大抵の不安や悩み、心配事は何とかなる

大変な事があっても「別に、殺される訳ではない」と平然としている人って会った事はないですか?

私の周りにもいますが、こういう考え方が出来る人ってスゴイですよね。不安や悩みを無くす事はできないくても、こういう考え方ができれば人生が上手くいくような気がしませんか。

すぐにこういう人のようになるのは難しいかもしれませんが、この「不安や悩みとは、そもそも何なのか」を知っておくだけでも精神的に余裕が出てきます。

まずは、論理療法で有名な「ABC理論」をご紹介します。

ABC理論

例えば、試験で落第点を取った時に「落第点を取るのは許されない事だ」「自分はダメな人間だ」落ち込む人も多いのではないでしょうか。

しかし、「前回より点数が良くなった」「もう少しで合格点だ」喜ぶ人もいるかもしれません。

同じ出来事なのに、全員が落ち込む訳ではない、という事。つまり「落ち込むという感情」の原因は「試験で落第点を取るという出来事」ではないという事です。

 

そもそも、「許されない」とか「ダメ」だとかは、誰が決めたのでしょうか。

このように白黒思考で凝り固まり、独断的な思考を「イラショナルビリーフ」と呼びます。(逆に、柔軟で現実対応力が高い思考を「ラショナルビリーフ」と呼びます。)

 

「ある出来事」が発生し、結果として「感情や行動」が起こります。

しかし、この「感情や行動」は「出来事」が原因ではなく、それをどう捉えるかという「考え方=思考」が原因である、というのが「ABC理論」です。

これはアルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した「論理療法」の中心概念です。出来事(A:Activating event)信念(B:Belief)結果(C:Consequence)の3つに対して、出来事から結果に直接たどり着くのではなく、必ず信念を経由するという考え方です。

 

自分の作業でミスをしたり、プロジェクトでトラブルが発生したりと、仕事をする上ではさまざまな「悩みや不安」が発生します。しかし、その「悩みや不安」の原因が「自分の作業ミス」や「プロジェクトのトラブル」といった出来事にあるのではなく、自分の考え方がイラショナルビリーフになっているのではないか、と考えてみましょう。

そして、考え方を変えるだけで悩む必要は無い事は結構多いものだと思います。

 

心配事の96%は起こらない

まだ「最悪の出来事」が起こっていないのに、たまらなく不安になる、という人もいるかもしれません。

そんな方に、以前の記事で「心配事の96%は起こらない」という内容を書きましたが、再度掲載したいと思います。

PDCAは時代遅れなのか?/企画推進室

米国ミシガン大学の研究チームが行った調査によると、心配事の80%は起こらないとされています。起きるのは残りの20%ですが、そのうちの8割は、あらかじめ準備して対応すれば、心配事には至らずに解決できるそうです。つまり、そのときにならないと手の打ちようのない「本当の心配事」は全体の4%にすぎないのです。

出典:佐藤富雄の名言 厳選集

 

「義理の母が「ガン」かもしれない」という連絡を受けた時、ちょうど沢山の仕事を抱えて精神的に不安定な状態でした。しかし「心配事の80%は起こらない」と考える事で、「まだ「ガン」だと決まった訳じゃない」と自分や家族に言い聞かせる事ができ、冷静に対応できました。

また、例えそうであっても「残りの20%のうちの8割は、あらかじめ準備できる」、治療や保険などについて調べておくといった備える方法があるはず、と考える事が出来ました。

結局、検査の結果は何ともなかったのですが、「こういった考え方を知っておく事が大切だな」と実感した出来事でした。

 

どうしても悩みが消えない場合には

こちらの記事が参考になると思いますので、ご一読下さい。

悩みに対処する魔法の公式/企画推進室

 

今回の私のような個人的な悩みは、なかなか相談できる相手がいなかったりする事も多いかもしれません。

しかし、仕事上の悩みや不安は、会社の仲間で共有できます。そしてチームで解決策をさがす事ができるはずです。誰にも相談できない、相談しても解決できない、と思い込んでいるとしたら、それはイラショナルビリーフです。

逆に、それが出来ないような組織、会社は生き残っていけないのではないでしょうか。「ワンチーム」が標語だけでない組織が良いですよね。