単なる井戸端会議 パート145

『海外ビジネス』

(2019年 9月 2日 福嶋 昭)

暑い日が続いた8月でしたが、「あっ」とう間で気が付けば9月に入って

いました。最近は気のせいか少し涼しくなってきたようにも感じます。

 

先週は仕事でマレーシアにいました。

エクステックが日本で展開している省エネ商品をマレーシアで展開し、

次にASEAN加盟国の東南アジアへ広げようというビジネスです。

 

日本でもその省エネ商品を展開するのに時間が掛かっていますので

その商品を海外でイチから展開するのはエクステックにとっては至難

の業です。文化や習慣の違いも分からない、生活状況や言葉も分か

らない、知り合いや人脈もない、ナイナイ尽くしの海外です。

自分達だけでは出来ない事を認め、どう対応するのかを考える事が

最初の仕事でした。

 

そうした中、マレーシアでビジネスを成功させた日本人社長とのご縁

がありました。長い社歴を持ちマレーシアの省エネビジネスでは酸い

も甘いも熟知している企業です。

その企業の技術者の人が来日した際に商品の説明をしたところ次回

は社長の来日予定があるので社長を交えて打合せをしましょうという

事になりました。

 

7月中旬に社長が来日し説明をしたところエクステックが展開している

省エネ商品に可能性を感じたようです。

パイロットプロジェクトをマレーシアで用意するので一度マレーシアに

来て下さい。そこで効果が確認出来れば、私達が省エネ商品を既に導入

している多くの施設にこの商品も展開しましょうという事になりました。

 

早々にそのパイロットプロジェクト候補が決まり、どの施設で省エネ

効果を確認するのが良いのか検討したいとの連絡が来ました。

その候補の施設を実際に見てパイロットプロジェクトを何処にするか

の検討とその企業が導入している施設での省エネ商品の見学、今後の

進め方の打合せ等でマレーシアへ行ってきました。

 

 

 

『海外ビジネス』

 

日本からマレーシアへは直行便で7時間ほどです。

クアラルンプール空港に着くと社長とプロジェクトの責任者が出迎えて

くれました。責任者の人も日本人で言葉については一安心でした。

移動する車中で社長から「マレーシアはどうですか?」と聞かれ、「今と

昔が調和した綺麗な街ですね。」という言葉が素直に出てきました。

 

歴史的な背景からイギリスの影響もあり計画的に整備され、近代的な

ビルが立ち並んでいます。高速道路を走りながら今度は「何か気付き

ませんか?」との事で、「日本車が多いですね。」、「そうなんです。

日本車が9割です。この国は親日国でビジネスはやり易いですよ。」

 

30分ほど車で移動しホテルにチェックインしました。近くのお店を予約

していますので食事をしましょうとの際に、「長旅でお疲れでしょうから

ゆっくりして頂いて食事は1、2時間後でも良いですよ。」という心遣い

がありました。私も同じような時には「ゆっくりで良いですよ。」と一声

は掛けますがそこまでの心遣いの言葉を思い付いた事がありませんでした。

私も使わせて頂きます。

 

部屋に荷物を置いたら大丈夫ですので10、15分待って下さいと伝え荷物を

置いて近くのお店に移動し食事をしながらのミーティングになりました。

日本ではマレーシアの会社の事をあまり話しませんでした。まずは事業内容

を責任者からお話しさせて頂きますとなりました。

 

その企業は省エネで特に主力商品二つを大企業の多くの店舗や施設に展開

しておりマレーシアでは他社の追随を許さないシェア№1との事です。

マレーシアだけではなく東南アジア諸国からの引き合いも多く社長も社員の

人達も各国を飛び回っています。

そうした状況に至るまで頑張ってはきたがサボっていたらビジネスはいつ

ひっくり返るか分からないので努力を惜しんではいけないとの信念でした。

 

その三つ目の主力商品としてエクステックが日本で展開している商品を

追加したいとの事です。省エネ効果さえ確認出来れば、マレーシアだけ

でも自分達の商品を何万箇所の施設に導入しているのでそこへ新たな

商品として提案ができます。営業は任せて下さいとの事でした。

エクステックの役割は日本側を取りまとめマレーシアに提供する事と

それを展開する為のシステム開発です。

 

パリ協定でのCO2削減もあり大手企業は新たな取組み計画を出さない

といけないのですが新しい省エネ手段は中々なく何とか提案をして欲しい

との要望が多くあるようです。そのような状況で既存のお客様への展開

だけでも大きなビジネスになるので一緒にやりましょうとのお話しです。

 

翌日はホテルに責任者の人が車で迎えに来てくれ午前中はプロジェクト

に関わるスタッフの人達も加わり十数人での打合せになりました。

色んな国の人がいるので言葉は英語での会議でした。残念ながら私達は

英語を話せないので責任者の人に通訳してもらいながらの会議になり

ました。

 

4時間近くの会議でしたがスタッフの人達は理解も早く、鋭い質問も多く、

私達が予定していた内容よりも詳細で深い説明になりました。

誰かがやってくれるだろうという考えの人は一人もなく、このビジネスを

成功させる意気込みが伝わってきました。午前中の会議が終わりその部屋

でスタッフの人達とのお昼をご馳走になり、人の良さ、明るさが伝わって

くる時間でした。

 

今更ですがもっとコミュニケーションを取りたい、英語が話したい、英語の

勉強をしなければという事を痛感しました。

 

午後からは責任者と見学先を担当するスタッフに連れられその企業の省エネ

商品を導入している施設を見て周りました。

導入している企業はグローバルな企業で、日本でも誰もが知る大きな企業です。

各施設に入っており新しい施設が出来るとそこにも導入されるとの事です。

 

二つの企業にそれぞれの施設を見学をさせてもらいました。その導入先企業

の責任者も立ち会ってくれましたがその対応や表情を見ているとしっかりと

結果を出し信頼関係が出来ているのが理解出来ました。

 

今回のマレーシア訪問の日程で社長の想いや考えはもちろんですが、その

日程の中でスタッフの人達の人柄やどんなビジネスをしているのかを見て

もらう為に組んでくれたスケジュールでもあるのがよく分かりました。

その日の夜も社長と責任者と楽しい食事をし、ホテルまで車で送って頂き

ました。

 

翌日の朝もホテルに責任者の人が車で迎えに来てくれました。その日は

朝からパイロットプロジェクト候補の施設を周り、帰社したのが17時過ぎ

でした。社長が会議室にスタッフの人達を集め、ひとり一人に今回の感想

を聞き、一緒に進めるビジネスに対しての熱い想いを伝えてくれました。

最後はスタッフの人達ひとり一人に感謝を込めて握手で気持ちを伝えました。

 

その日の夜は責任者の人は用事があり、社長との食事になりました。

10月には来日頂く日程も決めましたがそれまでにパイロットプロジェクト

を確定し設置準備で私達も再度マレーシアを訪れる事になりそうです。

 

翌日の朝早くにクアラルンプール空港まで責任者の人が車で送って

くれました。責任者の人は本当に親しみ易く誰からも好かれる人柄で

仕事だけではなく文化や習慣の違いも沢山教えてくれました。

 

片道7時間掛かりますがそれも苦にならない新たなビジネスの可能性

を感じながら成田空港に着きました。到着後はそのまま千葉へ移動、

宿泊し翌日は九十九里浜での仕事でした。

来年60歳ですがまだまだやらないといけないことが沢山あります。

国内外共に仕事を楽しんで頑張ります。