平成31年度春期 基本情報技術者試験 の振り返り/企画推進室

基本情報処理技術者

5月22日、平成31年度春期情報処理技術者試験のうち、情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験の合格者が発表されました。ニュースな内容もありますが、いろいろと振り返ってみたいと思います。

(2019年5月27日 企画推進室)

激震!?小学4年生が合格

まずはニュース記事から
小学4年生が「基本情報技術者試験」に合格、国家試験で最年少記録を更新  

これまでの最年少記録が10歳だったという事で、それもすごいのですが、今回9歳の小学生が記録を更新したとの事です。基本情報技術者試験を受験しようと思う小学生って、普段何を考えてるんだろうって気になりますが。

この試験、「基本」とはついていますが、決して簡単な試験ではありません。

今回の受験者数は約5万5000人、合格者数は約1万2000人、合格率は22.2%、合格者の平均年齢は25.2歳との事です。

5人に1人しか合格しない、比較的難易度の高い試験と言えるでしょう。

今回の問題を見ても、午前であれば「論理演算」から「2分岐探索」といったテクノロジ系問題の他に、「プロセス改善におけるベンチマーキング」といったマネジメント系問題「BI」や「ビッグデータ」、「ROI」、あげくに「コトラーの競争地位戦略」といったストラテジ系問題まで、非常に幅広く、高度な知識が求められています。

普通に考えれば小学生が合格できるような問題ではありません。

秀才や天才というのはいるもんだなぁ、と思わされます。しかし、頑張って勉強したけど不合格となってしまった方にとっては衝撃的なニュースかもしれませんね。

合格者に関する情報

さて、前回の秋季に続き発表されたうちの「基本情報技術者試験」について合格者の情報を確認してみましょう。

平成30年度秋期 基本情報技術者試験の合格発表/企画推進室

社会人:受験者数36,521名、合格者数7,770名、合格率21.3%
学生:受験者数18,165名、合格者数4,385名、合格率24.1%

秋よりも春のほうが社会人の受験者数が1万名程度増えていますね。新社会人が一斉に受験するのでしょうか。ただ、あいかわらず社会人が学生に合格率で負けているという状況です。頑張れ、社会人!

 

次に勤務先企業の分類ですが

IT系企業勤務:受験者数15,577名、合格者数3,156名、合格率20.3%
非IT系企業勤務:受験者数20,944名、合格者数4,614名、合格率22.0%

今回も非IT系企業勤務の方の圧勝です。頑張れ、IT系!

 

経験年数別の合格率はというと

未経験:24.0%
1年未満:26.9%
2年未満:25.9%
2年以上4年未満:20.5%
4年以上6年未満:23.0%
6年以上8年未満:26.4%
8年以上10年未満:22.8%
10年以上12年未満:18.6%

今回も前回同様、経験と合格率に関係がないことがよくわかります。

きちんと対策すれば、経験と関係なく合格できる試験というのは間違いないですね。以前にも書きましたが、SEの登竜門的資格。若手と呼ばれるうちに合格しておきましょう。

情報処理技術者試験は技術者に必要か?/企画推進室

結局、この資格は役にたつのか?

試験のための学習は即効性がありません。しかし、確実に役に立ちます

午前の問題だけでも、テクノロジ系問題はシステムエンジニア、プログラマの基本的知識として持っておくべき内容ですし、マネジメント系問題、ストラテジ系問題はステップアップを図る上で確実に役に立ちます。これらは実践(普段の仕事への役立ち)というより、プログラマ・システムエンジニアの基礎教養と言える内容でしょう。

今の時代、経営とITは切り離せないと言われています。つまり、エンジニアはますます経営と深く関わっていく事になるでしょう。基本情報技術者試験は、そんなエンジニアの価値を高める非常によくできた問題構成だと思います。

もちろん、午後の問題はより実践向けなので、プログラマ、システムエンジニアは「合格できて当然」と言えるかもしれません。

 

いずれにしても自分のスキルレベルを客観的に証明する、プログラマ・システムエンジニアのための試験です。ぜひ、基本情報技術者から始めて、応用情報技術者、さらにはその上を目指してステップアップしてください。