単なる井戸端会議 パート131

『戦略と戦術』

 

(2017年 7月 2日 福嶋 昭)

エクステックが新しい期に入り、最初にある大きなイベントは大阪、東京

合同での期首ミーティングです。大阪と東京を繋ぎ前期の振返りと今期

の計画を発表する場です。以前は事業計画書の作成、期首ミーティング

での発表と私の方でも多く時間を費やしていました。

 

最近、事業計画書は部課長が中心になって作成してくれた事業計画の

説明を事前に受け、一緒にブラッシュアップする作業になりました。

また、期首ミーティングでの発表も任せっきりで私の方はその場で皆さん

に少しお話しをさせて頂く程度です。

各世代がエクステックの襷(タスキ)を繋ぎ、時代にあった会社にして

いきたいという想いをくんでくれているように感じています。

 

今年は6月8日にその期首ミーティングがありました。

冒頭に私の方で少しお話しをさせて頂いた内容は「戦略と戦術」です。

色んな取組みの時に必要なことは理解しているつもりでも目の前のこと

に手一杯や焦りから疎かになることも有りがちです。

少し「戦略と戦術」整理してみる時間を意識する習慣を持つ事でその

成果や費やす時間が変わりますので私も忘れないように今回ブログに

書いてみました。

 

 

 

―― 『戦略と戦術』

 

ビジネスでよく「戦略と戦術」という言葉を使います。その違いを

皆さん分かりますか。

 

ビジネスで使う戦略とは、会社が進むべき方向を明らかにし、シナリオを

描き、いかに他社との競争優位を確立するかを考える事です。

英語で言うと「Strategy」です。

一方戦術とは、戦略を実現する為の具体的なアクションプランを指します。

英語で言うと「Tactics」です。

当たり前の事のようですが、気が付くとこれが明確に説明出来ない取組み

も少なくありません。

 

「戦略無くして戦術無し」という言葉があります。では、なぜ戦略が必要なの

でしょうか。

私達のIT業界で言うと仕事が沢山あって、人が足りない、足りない、といった

状態が続くのであれば、戦略がなくても、既存の延長線上で効率化を追求

すれば、ある程度の売上や利益が確保できます。

言い換えれば、「どんぶりビジネス」です。

 

でも、日本も、私達の業界も、昨今はどんどんデフレが進行しています。

中国をはじめとするアジア諸国の台頭は、更にデフレ経済に拍車をかけます。

このような背景のもと、会社に戦略がなければ勝てない時代に入っています。

 

「戦略と戦術」の例には、よくユニクロさんが用いられます。

ユニクロさんの戦略を簡単に言うと他より安くして、他より売れるようにする。

これが、戦略です。皆さん目の当たりにしているので実感ですよね。

 

じゃ、どうやって安くするのか? これは戦術です。

安くする為に、企画~生産・物流・販売までを全部自分達でやってしまおう。

どこのアパレル企業でも真似出来る事ではないですがこの「戦略と戦術」を

持ってユニクロさんは今の地位を確立しました。

 

中小企業はどちらかと言うと日々の仕事に追われて、事業計画を作っていない

会社も少なくありません。また、事業計画を作っていても、戦略と戦術を充分に

区別しないままに作成したものも多くあります。

事業計画を見せてもらうと戦略がなく、戦術だけだったりもします。

 

エクステックも創業当初から少しの間は事業計画がありませんでした。

顧問の先生からその事を指摘され、試行錯誤しながらも毎年事業計画を作成

してきた事で、今はかなりレベルが上がってきています。

 

その提案や取組みについて「戦略と戦術」を意識して整理すると戦術だけが

述べられていて戦略がない事があります。

身近な会話で言いますと「何の為にこれするの?」と聞かれた時に答えられ

ない事があります。分かり易く言うと手段だけが先行し、何故それをするのか

という目的が説明出来ない事があります。

 

そこで案の定、部下の人は上司から叱られるのですが、説明は出来なくても

その戦術をやろうと思った理由は必ずあるはずです。

そこをもう一度整理、理解すれば、その戦術が正しいのか検証出来ますし、

上司と部下の間に共通する目的が生まれます。上司の人も叱った後、一緒に

それを整理してあげる教育も必要だと思います。

提案する方、される方、「戦略と戦術」を心掛けてみて下さい。