単なる井戸端会議 パート129

『社長挨拶』

 

(2018年 5月 7日 福嶋 昭)

 

 

ゴールデンウイークも終わりました。新しく社会人生活をスタート

された新入社員の皆さんは新しいことが盛り沢山で緊張の一ヶ月

だったと思いますがゴールデンウイークで少しリフレッシュ出来

ましたでしょうか。私はカレンダー通りのお休みを頂き、後半は

両親の住む奈良でのんびりでした。

 

今年の四月は汗ばむくらいの日々も少なくなかったので、暑い

のが苦手な私は今年の夏は少し嫌な予感がしています。

 

今回のブログは四月二日はエクステック入社式でしたがその時の

社長挨拶を思い出しながらお話しをさせて頂きます。

 

 

 

―― 『社長挨拶』

 

新入社員のみなさん、昨年の内定式以来ですね。

改めまして、株式会社エクステックへのご入社おめでとうござ

います。

 

突然ですが、皆さんの中に花粉症の人はおられますか?

私はこの時期、目はかゆいし、鼻はぐしゃぐしゃです。

でもそれ以上に私は毎年この時期、皆さんに何をお話しして

あげるのが良いのかで花粉症よりも悩みます。

世の中の社長さんにとってこの時期は皆さんをお迎えする

嬉しさと同時に社長挨拶で悩む時期でもあるのです。

 

そうした花粉症よりも悩む社長挨拶ですが二年前の入社式

では、『つながりとコミュニケーション』昨年は、『一番の人生』

というテーマでお話しをさせて頂きました。

 

今年も、かなり悩んで『SVOC』というテーマでお話しをさせて

頂く事にしました。SVOC??聞き覚えのある言葉だと思い

ます。誰か、分かりますか?

→新入社員:「英語の文法ですか。」

私:「ご名答です。」

では、少しお付き合い下さい。

 

皆さんはエクステックのホームページで会社ブログを掲載して

いるのをご存じでしょうか。本日もアップさせて頂きましたが、

過去にはここにいる内藤取締役にも掲載して頂いていました。

→部長:「社長、私も掲載していましたよ。」

 

ブログは2007年9月3日に開始し10年以上続いています。

エクステックの顧問をやって下さっていた人からの提案でもっと

エクステックを知って頂く為の手段としてスタートしました。

 

その顧問はライター執筆や学校で講師をやっていた人で文章の

プロです。転職サイトや印刷物の上がってきた原稿をチェック

してもらうと沢山の朱書きが入り、業者さんの担当者が可哀想な

くらい原稿を真っ赤にされコテンパンでした。

 

そんな顧問ですので私が最初に書いたブログを見て、何となく

想像はつくと思いますが

「社長、社長の文章は分かりにくいんですよ。」と言われ

「何処が、何で?」と少し不機嫌に聞くと

「社長の文章には主語がないんです。主語が」

「そんなことはないやろう・・・」

読み直すと「確かに。」漫才のボケ、突っ込みみたいですが

私もコテンパンにやられました。

 

そんなシゴキの中で一年経ったある時にその顧問から「社長、

文章上手くなりましたね。」と言われ、かなり嬉しかったのを

覚えています。

 

そんなブログを10年以上続けているので少しは文章上達

しているとは思うのですが、今年二月のとある日曜日の朝

早くに目が覚め、テレビを付けてみると「テレビ寺子屋」という

番組が放送されていました。

「日本語って面白い!」というテーマでダニエル•カールさんが

講師として話しをしていました。

ご存じですか?山形弁の外国人で有名になった人です。

 

他に面白そうな番組はとチャンネルを変えようとした時に、

あるキーワードが飛び込んできてチャンネルを変えるのを

やめました。

そのキーワードは「日本語は主語を使わねー」という言葉

でした。おー、何処かで聞いたような。

 

その番組でまずは日本語の「行ってきます」という言葉が

話題になりました。「行ってきます」を英語にじかに直すと

「go come」です。

それをもう一度日本に直すと「行く、来る」という動詞と動詞

の組合せで変ですよね。

これも日本語の特徴とのことです。確かに!!

 

ダニエルさんが奈良県のホームステイ先でその「行ってき

ます」にまつわる出来事があったそうです。

その家の学生さんが「行ってきます」と言った時に

ダニエルさんが「えっ、誰が?」と疑問に思い、聞くと

学生さんが「私が!やん」

ダニエルさんが更に「何処へ?」と聞くと

学生さんが「制服着てるから学校に決まってるやろう」という

やり取りがあったそうです。

 

次に、お父さんが同じように「行ってきます」と言った時に

「誰が?」、

「おれやぁ!」、

「何処へ?」、

「背広着てるから会社に決まってるやろう」

 

そうしているうちに、次はお母さんが「行ってきます」と言

った時に「誰が?」は「お母さんが行くんやな」で納得し・・・

でも、困ったことにお母さんはいつもと同じ服を着ていた

ので

「何処へ?」と聞くと、

「買い物袋さげてるから分かるやろう」

これは出来過ぎなので、ネタだと思いますが。

 

外国人と喋る時には出来るだけ情報を入れるようにしま

しょうという事のようです。

「行ってきます。」にも外国人との会話では「あのな、誰が、

これから、どこへ」が必要です。確かに、外国の人に道を

聞かれた時は単語で会話してる自分が思い出されました。

 

次に、日本語には世界一便利な単語があるそです。

何か分かりますか?

「あれ」という言葉だそうです。

50代以上の人が特に使う単語という事で…

 

例えば、「明日の仕事あれだから、頑張ってねぇ」

このテレビを見てから気にしてみると自分でも確かに使っ

ています。しかも、普通に通じたりするんですよね。

 

日本語の曖昧さでもう少し例を出しますと

「あの人は先生ですか」と聞かれた時に、

「あの人は先生とちゃうのかな?(ないですかね)」と答え

たりします。

これは聞かれた人も先生とちゃうのかな?要は先生か

どうか分からないという事ですよね。

肯定と否定が入り乱れ分からなくなりますね。

 

大阪弁のチャウチャウとちゃうんチャウもそんな感じですね。

工程と否定が打消しあって面白い表現ですね。

日本語では分からない時に「分からない」とはっきり言わない

事があります。

分からないと直接的に言うと相手にきつく聞こえますが、あの

人は先生でないかなぁ?と言うことで表現が柔らかく聞こえます。

これはこれで日本人の気遣いが感じられ、私自身は嫌いでは

ありません。

 

こういう表現を婉曲(えんきょく)的な表現というみたいです。

意味は、言いまわしが穏やかでかどが立たない表現とう意味です。

 

どうですか、普段当たり前のように使っているので気遣かない

ですが言われてみれば身の回りにはこうした会話が沢山ある事

に気付くと思います。

実は仕事にも同じような事が言えます。

 

皆さんが仕事をする上にも主語や目的語は必要です。

「誰が、何を、どうする。」は基本ですよね。

そこに、「何のために、どうやって」が入ると、とても分かり易い

ですよね。

 

例えば、「頑張ります」と言ったとします。

先ほどのお話しで言うと

誰が…      「私が」ですよね。

何を…      「Java言語の習得に」

どうするの?…  「頑張ります」ですよね。

 

では、何のために…「優秀なエンジニアになりたいから」。

どうやっては…  「研修と先輩のアドバイスを活かして」

 

つなげてみると

「私は、優秀なエンジニアになりたいから研修と先輩のアドバイス

を活かしてJava言語の習得に頑張ります。」となります。

 

自分の考えも整理・確認ができ、その事に取組めますし、相手

にもしっかりと内容が伝わりますよね。

英語の授業で言いますとSVOC(「主語」「動詞」「目的語」「補語」)

の文法です。

 

やらされていると思いながらの仕事としっかりSVOCを意識、

理解した上で行う仕事とでは習得する広がりや深さ、時間に

差が出ます。

言われたからやる仕事ではなく、皆さんも「私が」を持った仕事を

心掛けて下さい。

 

これからの時代、皆さんはどんどんグローバルな環境に接する

事が増えてきます。グローバルな環境が増える中、会話にも

仕事にもSVOCを意識して取組む習慣を付けて下さい。

 

話しは変わりますが、少しブロ宣、ブロ勧(ブログ宣伝、勧誘)して

おきます。実は会社ブログはあまりネイティヴなことは書けなくて

ポジティブな内容で仕事に繋がることで締めるのが基本です。

見えない相手にどういう構成でどう表現すれば伝わるのか、相手

の事を考え、相手を傷つけない言葉を選びながら書かないといけ

ません。

 

そういう意味でブログはブレーンストーミングの練習になります。

会社に慣れてきて書いてみたいと思ったら申し出て下さい。

 

最後に、皆さんと私達が出会えて今日から一緒にお仕事が出来る

事に感謝しています。一緒に頑張っていきましょうね。

簡単ではございますが、中学生の時に習ったSVOCを仕事にも

活かしましょうという事で私の祝辞とさせて頂きます。

 

 

 

株式会社エクステック

代表取締役  福嶋 昭