環境重視

第7話
東京リーダー K. I. n

K「お盆はすぎましたがまだまだ暑いですね。」
N「こう暑いと何も考える気がしませんね。
  誰かのおかげで節電中だし。」
I「それなんですが、真っ赤なデマだといううわさが。」
N「確かに現に今の設定温度は***だし、
   普段の設定温度も***」
I「それに****」

—厳秘事項に関わるため一部削除します—

I「いえいえ、いつも設定温度は28度ですよ。」チラッ
N「そうでしたね。」チラッ

N「あー怖かった」
I「怖いといえば、怖いものの話しでもしましょうか」

インターネットも携帯電話も無かった学生時代の
話しです。
2チャンネルもブログもツイッターもない時代、
田舎の学生生活はとんでもなくヒマでした。

N「今だってブログやツイッターやらないでしょ」
K「学生だったら勉強すればいいのに」

I「ひとのモノローグに口を挟まないでください。」

ヒマな学生だった私は当時ホラー映画が大好きで、
怖いものを求めて、あっちを訪ね、あっちを訪ねとしていました。
昼のテレビで心霊特集を見れば、あそこではないかと探してまわり、罰当たりにもいろいろな霊場まで訪ねていったりしました。
当時住んでいたのは城下町だったので噂はいろいろあったのですが、ついに一度も怪異には出会えずじまいでした。

K「昼からテレビ?学校いこうよ」

それから数年後の話です。
学生時代に住んでいたアパートの話を母としたときです。
母「そういえばお前のアパート、
  夜中に子どもの声とかしたよね」
I「え、何それ。
 学生しか住んでなかったと思うけど・・・」

確かにこのアパート、学校の近くで、2K、風呂・トイレ別という条件の良さにも関わらず、破格の低家賃だったんですが、古くて壁が薄かったから、隣の声が聞こえることはあってもおかしくはないですが・・・。

母「下の方から聞こえてきたよ」
家賃が安いので常に満室のアパートだったけど、
私の真下の部屋は3年以上空き部屋だったはずなんですが。
I「母さん、ぼけるの早すぎるよ」

K「お母さんになんてことを。
  部屋のせいではなかったのですか。」
I「そういえばこんなことがありました。」

ホラー映画の見過ぎか、毎晩のように悪夢にうなされていたのですが、あるとき「パーン!」という音がして、目が覚めました。
なんだろうと思っていると、部屋の中にコーヒーの匂いが立ちこめ始めました。
電気をつけると、食器棚の中で未開封のコーヒーの缶詰(粉が入っているやつです)が破裂していました。
部屋中コーヒーの粉だらけで後片付けが大変でした。
暑いと缶詰が破裂するんだ~と思った次第です。

N「暑いって何度位だったんですか」
I「今から思うとたいしたこと無いですね。
 27~28度くらいですかね。
 それでも当時の北国出身者には未知の暑さだったん
 です」
K「他には?」

I「台所で料理をしていると、突然、ガタガタガタ、
 と振動音が聞こえてきたので、地震か、と振り返った
 ら、横の食器棚は何ともないのに、冷蔵庫だけが飛び
 跳ねていました。」
I「暑いと冷蔵庫っておかしくなるんだな、と思いなが
 ら、必死で冷蔵庫をおさえた記憶があります。」

N「危ない冷蔵庫ですね」
I「東京に出てきてからも暫く使っていたのですが、
 跳ねるようなことはなかったです。」

I「後は、当時室内アンテナでテレビを見ていたんで
 すが、ファミコンをしようとテレビをつけたら、
 放送が入らないはずのチャンネルの砂嵐の画面に
 女の人が映っていたこともあります。隣の部屋と
 かのビデオかなんかの映像が映っていたんでしょ
 うが、このときはびっくりしました。
 というかちょっと得した気がしました。」

N「得したって、何が映ってたんだか・・・。」
K「どれも決定打にかけますね。」
I「いえいえ、一番怖いのはここからです」

大学を無事卒業し、就職にともない東京に出てきた頃のことです。
学生時代とは正反対の、手狭ではありますが、ロフト付きの新築のアパートに部屋をかりました。
ある晩のこと、夜中にキッチンに行くと、床に黒いゴミが落ちていました。
なんでこんなところにゴミが?と思いつつ、
捨てようと思って、つまんだところ、
ウネッ、とごみが!

なんと巨大なナメクジでした。

後にも先にもこんな怖かったことは初めてです。
すぐに引っ越しました。

K「それは怖いですね。
  久しぶりにゾクッときました。」

以上は
エンジニアと環境に優しい
株式会社エクステック
の提供でお送りしました。