単なる井戸端会議 パート9

酉の市

酉の市
(2008年12月15日 福嶋 昭)

ようやく行ってきました。何がって、『酉の市』ですよ。
大阪では1月9、10、11日に『戎さん』があり欠かさず
毎年、商売繁盛の祈願に行っています。縁起物の福笹
を授かりに通い始めて20年ぐらいになりますかね。

大阪の分はもちろん、東京の分も授かって毎年新しい
福笹が神田事務所にも飾ってあります。
東京の人にとって『戎さん』は馴染みがないように大阪
の人にとっても『酉の市』のことを知らない人は多いよう
です。

私の東京年始は授かった福笹を持って大阪から東京に
移動をする事が恒例行事でしたが3年ほど前から神田
事務所の分は東京の文化、習慣に従い商売繁盛の祈願
も酉の市にしようと思いながら中々行く機会がなく、今年
ようやく鷲神社の『酉の市』に御参りする事が出来ました。

下調べもせずに行ったこともあり大混雑の中、大変な
御参りでしたが東京と大阪の文化の違いにも触れる事
ができ楽しい時間でした。
今日はその初めて御参りした『酉の市』についてのお話
です。

―― 酉の市

酉の市の由来は日本武尊が東夷征討での勝ち戦を祝い
「熊手」を飾り、お礼参りをされたその日が十一月酉の日
であった事が由来だそうです。
詳しくはネットで調べてみて下さい。

御参りをしました鷲神社は東京メトロ日比谷線三ノ輪駅
で下車し徒歩10分程度の場所にありました。
駅を降りてから沿道に並ぶ沢山の屋台を見ながら縁日
気分で歩いていくうちにどんどん人の渋滞に巻き込まれ
気が付けば身動きが取れなくなっていました。

少し進んではというよりは前の人との間隔を更に無理
やり詰めて少しずつ前に進んでいるという感覚でした。
1時間以上はその状態が続いたと思います。

人の波に従い狭い神社の入口を抜けてもやはり人、人、
人です。両側には「熊手」を売るお店がずらっと並んで
熊手を売っている人達の威勢のいい声で活気付いていま
した。提灯に入っている有名人の名前や大きな熊手には
売約済みの札が目を引きます。
でも、まずは境内に御参りし商売繁盛を神妙にお願いして
きました。

さて、いよいよ縁起物の初熊手探しです。
熊手にも招き猫やお多福、七福神と色んなものがあります。
世相を反映したものや人だかりの先には大きなサンリオの
キティちゃん熊手もありました。
悩みに悩みこれにしようと決め、ここからが大阪とは違っ
た東京の粋な熊手の買い方です。

熊手の値段?あってないようなものだと思いました。まず
は気に入った熊手の値段を聞きます。
すぐにその言い値で買うのではなく値段交渉をして値切り
ます。お店の人もそれなりの交渉に応じてくれると思います。

値段交渉が成立したらお金を渡すのですが、その値切っ
た分はご祝儀としてお金を渡すのが粋な熊手の買い方の
ようです。
そうするとお店の人が、「ご祝儀頂きました。」との一声
でそのお店の人達が集まってきて商売繁盛の手拍子と
掛け声で手締めをしてくれます。

大阪で育った私なので値切ることに抵抗はないのですが
流石に商売繁盛の『戎さん』では縁起物に値切りはしま
せんがご祝儀としてもとに返すのであれば『酉の市』では
ありだと思いました。

『酉の市』ですが深夜12時から始まり、翌深夜12時迄
行なわれているようです。
今年の予定は鷲神社で熊手を授かって、その後に日本
で唯一残っている花園神社の見世物小屋に行くつもり
でしたがさすがに鷲神社までの人混みで体力を使い果たし
来年のお楽しみになりました。

今年は初『酉の市』でしたが、来年の『酉の市』までに
ご利益を授かりもう一まわりも二まわりも大きな熊手
になるよう商売に精を出します。